技術の概要と経緯
(株)スカイプランニングと静岡県工業技術研究所は平成21年~22年度に共同研究を実施し、天窓によって太陽光を室内に導入した際の明るさを予測する技術( 特許出願中) を開発しました。
※独立行政法人科学技術振興機構の
研究成果最適展開支援事業( 地域ニーズ即応型)
協力:九州大学大学院古賀靖子准教授
本技術は天窓などの昼光導入装置で使用される材料( ガラス、拡散板など)の光の透過や反射などの特性の測定値と、季節や時間によって変わる太陽の方向や高さから、太陽光が室内に入った際の室内の明るさををコンピューターシミュレーションで予測するものです。この予測に基づいて照明用電力の削減効果を検証できます。
採用の経緯
この技術により室内の明るさ予測や照明用電力の削減効果を踏まえた天窓の施工提案ができるようになり、弊社の天窓( スカイトップライト)は大型商業施設、工場、物流施設等に採用されています。
このことに注目した環境技術実証事業の検討委員会は、この技術を実証試験方法に採用し、一般財団法人建材試験センターが実証試験を実施しました。
今月号は静岡県工業技術研究所の鈴木敬明様と㈱スカイプランニングの外山勸様に「昼光導入装置設置時の室内照度予測と照明エネルギー削減効果- 光拡散天窓の事例ー」をご寄稿いただきました。本記事は光学シミュレーションにより天窓の配光データの計算や建築物の照明エネルギー削減について、検討が行われたものとなっています。昼光導入装置について、配光データの計測やシミュレーションはこれまで困難とされていた技術です。光学シミュレーションについても、詳しく解説いただいていますので是非ご一読ください。
建築物のエネルギー消費量は照明が占める割合も多く、今後、照明エネルギーの低減技術の開発や普及が期待されています。当センターにおいても、環境省で実施しているETV 事業( 環境技術実証事業)の「地球温暖化対策技術分野( 照明用エネルギー低減技術)」の実証機関として、今年度より昼光導入装置の実証にも取り組んでいます。今後も、さまざまな製品や技術の開発・普及に貢献できるよう邁進してまいりたいと思います。